直前の池上線の事故で到着が遅れた話。永谷園の話。第二子出産の話、着物の話など25分もマクラを。大勢のお運びだし、良く笑うお客様でしたので、気分が乗ったのかもしれません。
わん丈さんはとにかく、良く喋る。喋るのが大好きってのがよくわかる。プロなのだから当たり前。今の二つ目界では昇也さんと双璧を成すおしゃべり大好き人間ではないでしょうか。
「マクラが長いよ!」というお客様もいらっしゃったかもしれません。「早くネタに入ってくれよ」と感じたお客様もいらっしゃったかもしれません。
しかし、その一方で、「落語なんてこんなもんでいいんですよ。気楽に聞いてください」と敷居を下げるような、落語への門戸を広げるようなすてきな話芸だと、くがらくは感じたりしました。落語ファンが増えたり、寄席に行く人が増える、落語会が若返えっていると言われる理由は、こんな若い二つ目さん達の活動にもある気がいたします。
そのうち「あれ?お母さん(おかん)の話長いけど…」と思った人もいたでしょう。そうです。それがわん丈さんの1席目。題名を「来場御礼」と言います。取材時、インタビューでわん丈さんが語っていた秘密の噺が、この「来場御礼」。落語会での諸注意をネタにしてしまったという革新的なネタです。笑いながら、啓発してしまうという。もしかしてわん丈さんは交通ルールとか、マナーとか世の中のあらゆる「啓発もの」を笑いに変えて届けることができる人かも知れない。
果たして、今回も最後まで携帯電話は鳴りませんでした。ありがとう!わん丈さん。
で、二席目。19回目にもなりますとネタ帳にネタがどんどん増えてきます。落語家のみなさん、くがらくのネタ帳を見ては、重複しないネタを!と思ってネタ出ししてくださいます。で、わん丈さんが二席目に選んだのは「井戸の茶碗」。くず屋の清兵衛、人呼んで正直清兵衛さんが長町裏の浪人・千代田朴斎と、さわやかな若侍・高木作左衛門2人の間に挟まって右往左往するハートウォーミングな笑いがいっぱいの名作古典。
落語と言えば古典と思う方は多いでしょうから、みなさん、きっとご満足なさったのではないでしょうか。満員、お客様でぱんぱんの会場は大いに笑いに包まれました。
仲入りを挟んで三席目。着物のカラーリングを真逆にして登場(写真を見ると一目瞭然)。おしゃれです。
滋賀県のお話をマクラに、「噺家が使っていい道具は扇子と手拭だけなんですよ」のセリフを合図にカーテンの裏に潜んでいたくがらくスタッフが巨大な扇を引っ張り出して登場。会場は歓声に包まれました。
この巨大扇子には近江八景が記してあり、それを活かしながらの、たっぷりの滋賀県講座。この説明があるからサゲが理解できるのです。超重要。それが「近江八景」と言うネタ。
解説が20分位で、落語本編は7分位という、世にも奇妙でおかしなネタ、「近江八景」。わん丈さんの高座でしか聴けない、体験できない時間です。
ここでお開き…
とは、今回ならずに、くがらく初の撮影タイム。スタッフがハッシュタグ「#三遊亭わん丈」「#くがらく」という紙をもって前方に。
大勢の皆さんが高座上のわん丈さんを撮影していました。
サービス精神旺盛で、「落語通の方だけでなく、落語初の方にも落語を好きになって、楽しんでいただきたい」とおっしゃっていたわん丈さん。最後の最後は、三本〆でしゃんしゃんとお開き。今回も本当にありがとうございました。
くがらく編集部
『くがらくリターンズ』第3弾は三遊亭わん丈さん。2019年11月9日(土)。無事、お開きとなりました。超満員のお客様、再登場《リターンズ》企画トリを飾ってくださいましたわん丈さん、リツイートやイイネしてくださいました沢山の方々、心より御礼申し上げます。これからも皆様が笑顔になる会づくりをして参ります。今後とも、よろしくお願いいたします。
〔日 付〕 2019 年 11月09 日(土)
〔時 間〕 開場18:30 /開演19:00( 1時間30分ほど。二席⇒お仲入り⇒一席、終演予定は21:00前後です)
〔出 演〕次回お招きするのは三遊亭わん丈さんです。
〔会 場〕 久が原会館 2階(大田区久が原2-7 -17) ※ こちらが会場地図になります。
〔交 通〕 東急池上線 久が原駅 ライラック通り 徒歩12分
都営浅草線 西馬込駅 徒歩18分
東急バスを使ってもお越しいただけます。次の2つの路線が使えます。
(1)蒲12系統 蒲田駅~田園調布駅 (2)森04・森05系統 大森操車所~池上駅前・洗足池
停留所名はともに「久が原出世観音」。バス停から徒歩1~2分です。
〔木戸銭〕 1,500 円(当日、2階の受付にてお支払ください)
〔ご予約・お問合〕 くがらく 090-4824-9243 留守電の際は折り返し、ご連絡差し上げます
電子メールアドレス : rakugo@miura-re-design.com
主催:久が原落語友の会 後援:大田区